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日本ALS協会 茨城県支部総会・交流会 2017年7月9日(日) 会場 小美玉市四季健康館 NEW

  ※ 当日の様子を抜粋してまとめてあります。ご了承ください。

  • 総会 

    日本ALS協会 顧問 林秀明医師の挨拶

    ALSは運動神経の一種の老化現象と同じようなもので、けっして呼吸器の障害でありません。ALSの状態で体全体がダメになるということではなく、経過でしか過ぎません。人によって呼吸器をつける段階はさまざまですが、呼吸器をつけることでALSとともに生きていくということが大事であり、賦活する要素を大いに持ちながらトータルの自分を生きていくように取り組んでください。

    関東は茨城、栃木、群馬、千葉、神奈川、埼玉、それぞれ県内での交流もできやすいところもございますので、お互いに力を合わせて取り組んでいってください。

    日本ALS協会 会長 岡部宏生会長の挨拶

    本日の支部総会開会にあたって一言お祝いを申し上げます。まずこの総会の開会にご尽力してくださった関係者の皆さま、そしてご参加してくださった皆さまに感謝申し上げます。

    私たちを取り巻く環境は幾多の先輩達のおかげで以前に比べれば格段に向上しているとはいえ患者や家族を常に深い困難が直面しています。社会保障費の削減など厳しい現実もある一方で新しい治験が複数開始されることなど新たな希望も生まれてきています。

    私達は身体の動きを奪われるだけでなく、感情のコントロールも少し障害されます。よく知られているものとして、感情失禁があります。これは、きっかけはあるにしろ自分の意思よりはるかに大きな感情の発露となって、笑ってしまったり、泣いてしまう事です。 この感情失禁とは別に、私達の症状には情動制止困難というものがあるといわれています。 この症状のためにALSの患者は気難しいとか恐いとか言われてしまいます。これは人格ではなくて、病気の症状であることを介護する方に理解をしてほしいと思います。患者自身もこの症状と上手く付き合っていくことは、人間関係のためにとても必要なことであると思います。 ご支援をして下さる皆様やご家族や患者さん自身もこんな症状を理解しておくことで、関係性を良いものに保っていただければと願う次第です。

    ALSという病気は本当に過酷で、それは患者本人が言うまでもありませんが、ご家族にとっても大変なことでありまさにどちらも当事者と言えるでしょう。患者や家族が孤立してしまう場合もあります。そこで患者同士、あるいは家族や関係者同士で情報や気持ちを共有することはとても大事だと思います。どうかこの総会で情報を得ること、また患者さん同士で交流を深めていただければとお願いして私のご挨拶とさせていただきます。

  • 交流会 

     

    患者さんからの質問と返答

    眼球の動きが故意によるものわかりません。
    ALSでは症状が進行していくことで閉じ込め症候群が起こり、動きそのものの限界を迎えることがあります。手足の動きより視覚等の感覚は運動として出にくいのです。視覚や聴覚から刺激していくことで機能にプラスになります。

    胃ろう、気管切開、人工呼吸器、コミュニケーション機器を導入する際の支援についてどういった状態なのか?
    生命に直接関係することは呼吸と栄養の問題です。随意呼吸、自立呼吸は突然弱ることはなく、身体自身が合わせてしまいます。ALSの場合、運動ニューロンが50パーセントぐらい落ちて症状が出てきます。リハビリもトレーニングではなく、負担をかけないで残っている部分のニューロンを休ませて長持ちさせることが大事です。リハビリは生活リハビリテーションをしていき、生活を維持していきます。 胃ろうは食事をセーブしてしまう傾向により体重が落ちてきたら導入を考えます。体重を毎日測ることが重要です。 胃ろうのメリットは栄養の維持です。デメリットは身体に穴を開けることです。メリットの部分をプラスに考えて、本人と周りの方が一緒になって話し合い、その人に合った取り組みをするようにしましょう。

    胃ろう注入物に関しては?
    注入物を処方してくれる医師、訪問看護師、スタッフと栄養状態をみて相談してください。液体状、半固形があり、誤嚥性肺炎を防ぐには逆流しにくい半固形のものがいいです。患者の身体に合わせて調節していってください。
    胃ろうを造設する際、病院で情報が得られます。
    普段食べているものをミキサーにかけたり、粉末状にして水分を多くして流動化ています。 油っぽいものやナマモノなどは控えたほうがいいです。洗浄の面を考えてもおすすめではありません。家族の食事と一緒に作ることのできる野菜スープがおすすめです。

    サービスについて、どのようなタイミングでどのくらいサービスを入れたらよいか?
    一例をご紹介します。
    「闘病生活が長いと、看護する家族の方ほうがストレスが溜まったり、疲れてしまいます。午後からヘルパーさん、看護師さんに来ていただきました」
    「朝、起きてから寝る時までヘルパーさん(8:00〜24:00)ショートステイも活用しています」
    まだ、医療的ケアのできるヘルパーさんの不足が目立ちます。

    患者・家族の事業所についてもお話しがありました。
    事業所にて登録しているヘルパーさんに資格を取ってもらったり、家族やヘルパーさんが研修を受けたりするなどしています。また、いずれ事業所に患者さんのヘルパーさんを呼んで、快適なレスパイトもできるのではないかと思っています。

    車イスから安全にポータブルトイレに行く方法は?
    いろいろな福祉用具があり、患者さんや症状によってそれぞれ使いやすい、使いにくいなどがあります。リハビリ、訪問看護に相談してください。病院でも多くの業者さんの情報を得ることができます。

    大豆ペプチド、ルナシンはALSに有効か?
    結論として有効ということは言えません。医療保険適用ではなく、アメリカでは治験が行われている情報もありますが、日本では治験は行われてなく症例の報告もありません。ルナシン以外にも医療保険適用されることがあれば、医療現場でも記録収集していきます。

    肺のトレーニングに関して
    呼吸リハビリ機器「LICトレーナー」を使用されている患者さんのお話がありました。
    LICトレーナーに関してはこちら (pdf)をご覧ください。 カータテクノロジーズ株式会社資料提供

     

    ロボットスーツ「HAL®」を使用されている患者さんの感想です。
    「脚に電極を貼って装着します。重いので上から吊るす形です。ガード(手すり)に掴まって歩きました。将来、簡単に着けられ、小型化すれば実用的になるのではないか? 自分で動こうとするのと機械が動こうとするのにギャップがあり、委ねて動くようになります」
    「週に1回のペースで4回やって次に計測して、それがワンクールで次4クールの4回目があります。半年やって、やってよかったのかどうかは判りません。ちょこちょこ不便にはなっています。(症状が)進んだのかもしれないけれど、維持されたのかもしれない。でもいい方に考えて、維持されているのではないかと思います」

    その他、株式会社みどりのまきば企画によるコミュニケーション機器の展示がありました。 みどりのまきば企画の機器に関してはこちら (pdf) をご覧ください。

      

    ALSに対する呼吸リハビリの重要性   理学療法士 下村 哲志

    ALSの進行に伴って呼吸筋の麻痺は徐々に進行していきますが、呼吸筋が弱っていくことは普段なかなか気づきません。手足の症状の進行に伴い激しい運動をしなくなるので、呼吸筋の衰えに気づかなくなるからです。 進行していく中でもいい呼吸をできるように、元気な頃から呼吸筋を保っていくことが大切です。

    進行予防のために早期から行うべき呼吸ケア
    では、どのように呼吸筋を鍛えるのか? 呼吸をするには吸う力が大事です。吸う力が減少すると肺が広がりにくくなり、硬い鎧のように胸郭が硬くなり、ますます肺は広がりにくくなります。深呼吸することもよいですが、しっかり吐くことが大事です。しっかり吐くことは吸いやすさに繋がります。

    呼吸トレーニング(1)しっかり吸ってしっかり吐く
    ・ロングブレス……吸気1:呼気3
    ・声をしっかり出す……(発声=呼気)人間は息を吐くとき声が出ます。簡単にできるのは歌を歌うことです。

    呼吸トレーニング(2)
    姿勢が崩れるといい呼吸ができません。胸を開くような運動、胸郭のストレッチを家族などが協力して行います。

     
  • ボランティアとしてお手伝いしてくださったつくば国際大学の学生さんたちです。

    お疲れさまでした。どうもありがとうございました。

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