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日本ALS協会 茨城県支部総会・交流会 2022年10月2日(日) オンライン開催 NEW

  ※ 当日の様子を抜粋してまとめてあります。ご了承ください。

  • 訃報

     令和 4 年 4 月 7 日、前支部長 海野佶氏、 また、令和 3 年 1 月 7 日、前副支部長 新堀浩一氏がご逝去されました。

    ここに生前のご厚誼を深謝し謹んでご通知申し上げます。

    支部を創設してくださった海野佶氏、サポートしてくださった新堀浩一氏、お二方とも長い間にわたって茨城県支部の発展に力を注いでくださいました。生前のご尽力に感謝するとともに、心から哀悼の意を表します。

  • 支部総会及び交流会 

  • 参加顧問紹介

     

     当日は、顧問から河野豊先生、吉沢和朗先生のお二方も参加してくださいました。

    河野豊先生は茨城県立医療大学医科学センター 神経内科学の教授であり、また、茨城県難病相談支援センターの責任者としても活動をされています。県支部の総会・交 流会においても、レクチャーなどを通して医療分野での最新の情報を提供してくださっています。

    茨城県立医療大学医科学センター

    茨城県立医療大学付属病院


    支部立ち上げ当初から支えていただいている吉沢和朗先生は、現在国立病院機構いわき病院の院長をされています。患者さんの診療、長期療養、レスパイトについても 紹介してくださいました。

    国立病院機構 いわき病院

  • 海野佶前支部長に替わり、今年度より新支部長に古高伸子氏が就任されました。

    古高 伸子 新支部長就任挨拶

     この度、茨城県支部の支部長に就任いたしました古高伸子と申します。

     私は、2012 年に平坦なところでつまずくようになり、2014年に確定診断をされました。

     当時、インターネットの情報では、ALSは根治できないため死ぬ病気として扱われ『発症からの余命は3〜5年』と書かれており、呆然自失となりました。人工呼吸器をつけて生きることは特別な人しかできないと思っていたので、親よりも先に、子供たちを残して死んで行くと思うと、申し訳なさと絶望感でいっぱいになりました。そんな私に生きる勇気と希望を与えてくれたのは、呼吸器をつけて自分らしく生きている先輩患者の存在でした。

     先輩たちが示してくれた道をひきついでいかなければとの思いで、身にあまる大役をお引き受けいたしました次第です。皆さまどうぞご指導ご協力をお願い申し上げます。

    古高 伸子

  • 笠島 努 新事務局長就任挨拶

     会員のみなさま

     この度事務局長に就任いたしました笠島努と申します。

    これまで会員のみなさまやそのご家族さまとの交流を力に、また先生方、介護看護のみなさまの支えを得て、前に進むことが出来ますこと本当にありがとうございます。

     また、親子二人三脚で力を尽くしてくださった事務局長の海野幸太郎さまにはどれほど言葉を尽くしても感謝しきれません。コロナ禍の折、長年副支部長を務めていただいた新堀浩一様、そして支部立ち上げよりご尽力くださった海野佶支部長も亡くなりました。まことに残念でなりません。

     大きな力を失った喪失感でくじけそうになる私を支えてくれたのは、やはり会員であり家族、この病気が縁でつながった皆様でした。

     これからもそのつながりを大切に皆様の力になっていけるよう 微力ではありますが努めてまいります。

    どうぞよろしくお願いいたします。

    笠島 努

  • 海野 幸太郎 前事務局長退任挨拶

     これまで多くの方の支えにより支部運営に携わることができたこと心から感謝申し上げます。一方で、私自身の至らなさで、支部運営を滞らせてしまったことは、大変申し訳なく思っています。そのような中でも、新たに引き継いで下さった役員の皆さんには厚く御礼申し上げます。

     ALS患者家族が過ごす環境も時代と社会環境の変化に伴い、変遷してきました。ただ、まだ改善、解決できることも多くあります。それらを求める患者家族にとって、支部の存在が一助になると思っています。今後も支部運営に皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。本当にありがとうございました。

    海野 幸太郎

  • 交流会

    交流会での、皆さんの質問、ご意見をまとめました。

    ◇質問、ご意見 ◆質問、ご意見に対する回答など

    ◇災害支援・災害対策に関して・ポータブル電源、発電機やバッテリー購入の際に補助してほしいです。

    ◆大きい病院ではポータブル電源の貸し出し事業を行っているところもあります。
     保健所としては災害時のために整備を進めている段階ですが市町村で対応が違うのが現状です。補助の状況は市町村によるので、 お住まいの自治体の障害福祉課に問い合わせしてください。
     県のウェブサイトに難病の方の災害の備えが掲載されていますので、ご参考になさってください。

    ◇災害時にレスパイトに入りたいが、移動手段などがなくなります。

    ◆在宅療養に入るときに、災害が起こった場合については説明があります。災害時、災害指定病院などでは、レスパイトの対応が できないところもあります。
     災害時は移動が困難になります。災害が発生して72時間は、救急活動優先のため身動きが取れなくなります。自宅で生き延びるための対策が必要となります。

    ◇市町村で避難行動要支援者制度があるが、登録していても避難 など計画的にできるのか不安です。

    ◇災害時のレスパイト入院をお願いしているが、現実的ではないと感じている。また、避難行動要支援者制度に登録していても、実際に計画的に避難できるのか不安もある。
     ある病院からは「入院や付き添いのためには、その都度の個々の検査が必要」と言われた。家族にかなりの負担になる金額で、現実的ではないと感じた。

    ◆レスパイトの対応ができない災害指定病院などもあるだろう。レスパイトでは治療はできないことも理解しておいていただきたい。
     どういうタイプの病院にどういう機能をもたせるのかについて 整理することが必要だろう。保健所等で検討してください。
     災害時は、誰もが移動困難な状況になる。災害が発生して72時間は救急活動が優先となるため、身動きが取れない状況になることを考えておかなくてはいけない。72時間は自宅で生き延びるための対策を各自で準備することが必要である。

    ◇レスパイトを使用するとき、患者側に多額の費用がかかるので 行政の支援がほしいです。

    ◇交流会に関して・もっと交流会があるとよいと思います。患者が話をする機会がないので、仲間で話す機会を増やしてほしいです。
    ◇患者さんは動くのが大変なので、オンラインでの交流会は意義があります。

    ◆他県のオンライン交流会にも参加しています。
    ◆患者会のLINEグループを作って、情報交換している県もあリます。

       
  • レクチャータイム 

    レクチャータイム
    「みんなができるリハビリ技術! 身近な関わりからできること〜」

     講師:下村哲志(理学療法士)

     皆さん、こんにちは。
     理学療法士をしております下村と申します。

     今日のテーマは「みんなができるリハビリ技術 身近な関わりからできること」とさせていただきました。普段普段みなさんもいろいろな形で患者さんに関わってくださっていると思います。

     患者さんの体を動かしている際に、急に身体が動いてしまったり、痛そうな顔を非常に心配になりませんか?その不安を少しでも解消するためにはちょっとしたコツがいろいろとあるんじゃないかなと思い、それをみなさんと共有できればと考えています。

     だんだん動けなくなって、皆さんが心配になることといえば、 やはり筋力が落ちてくる、身体が硬くなってくる、自分で動けな いことによって床ずれなどが生じてしまう、等ではないでしょう か。こういうことが生じてくると皆さんを含め周りの方々の介護 負担が増えてきてしまいます。それを防ぐためには何が必要なの か?結局のところ身体をよく動かすことが重要になってきます。 その身体を動かすときのポイントについてお話をさせていただき ます。

     まず最初に足首の動き。足首を動かさなくなると、足先の冷たさを感じる方は多いですし、座っている姿勢、もしくは立ったときの姿勢のとりにくさに繋がります。そんな時にどのように動かすのか見てみましょう。足首を動かさなくなると、つま先が下に向いた形で硬くなってくるのは皆さんもよくご存知だと思います。ALS患者さんの場合、この足首をぐっと動かすとガクガク動いてしまうことがよくあります。「あっ、これは大変だ」と心配になるかもしれませんが、しっかり足裏全体を押さえて伸ばしてあげることが大切です。ガクガクは心配ありません。

     また、普段はあまり意識をしない部分ですが、足の裏は非常に血流を保つ意味では重要な部位です。よくマッサージをやってあげるのも1つですが、ぜひやっていただきたいのが足の指を縦方向に1本ずつほぐすように動かしてください。普段の動きにはない横の動きは非常に気持ちいい動きです。ぜひ足首を反ったりする動きの他に、足の裏から指を1本ずつ掴んでいただいて縦に動かす動きもやってみてください。

     もう1つ身体が硬くなってきて、介護負担の増加を招きやすい部位として股関節・肩関節が挙げられます。いずれも元々は大きな動き持っている関節なので、動きが制限されてくるとどんどん介護がしにくくなってしまいます。まず、股関節はとにかく大きく回してあげてください。その際足首と同様にガクガクと動いてしまうかもしれませんが、こちら大丈夫です。ゆっくり動かすことによって脚が開かなくなってくることによって、おむつの交換等の介助の負担が増えるのを予防できるのです。

     そして肩関節ですが、こちらは痛みを生じやすいデリケートな関節でもあります。そのため動かし方にコツが必要なのです。まず動かすときは前も横も90度まで動かしてみて、痛みの出現、動きの範囲を確認することが重要です。もちろんそれ以上の動き が保たれるのが望ましいですが、まずは90度を保てるように動かしましょう。

    もう1つ大事になってくるのは、肩を回す動きです。洋服を着る際には必ず肩を回す動きを伴います。反対の手で肩を包み込んで動かすことによって肩関節に余計な動きが生じることなく動かせるので、痛みは生じにくくなりますし、動かしている側の不安も少なくなると思います。そしてゆっくり回してください。反対側の手で肩を包み込んであげる、これが大きなポイントになります。そして肩まわりを動かしていただくときにやっていただきたいのが、肩甲骨を大きく動かしてあげてください。手を背中側に入れて指先を肩甲骨の内側に引っ掛けて、グーっと上に引き上げて大きく回すように動かしてあげると、非常にこれは気持ちいいはずです。

    この動きは側臥位で行うとより効果的に動かすことができま す。人工呼吸器を装着している患者さんを側臥位にすることは非 常に大変だと思いますが、横向きは患者さんにとって大事なひと 時になるのは間違いないと思います。

     あと、ぜひ横向きになった時には背中にパタパタと空気を入れてあげてください。「え、なんで?」お思いになるかもしれませんが、我々は普段何気なく、寝返りとか をやって背中の部分に空気が入るような動きを無意識的にやっています。

     でも自分で動けない方は背中に空気が通る瞬間がほとんどない のが実情です。そうなると特に夏場だとそこに汗疹ができたり、汗が溜まってしまったりしてしまいます。横向きになった時が1番背中が開放される時なのです。是非こちらもお試しください。

     もう1つ側臥位で行えるストレッチとしてゆっくり身体をねじっています。呼吸器がついていると引っ張られそうで心配かもしれませんが、回路に注意しながらゆっくりとやっていただくと胸の方がしっかり伸びてくるのを感じることができます。普段は縮こまってしまっている大胸筋と呼ばれる部分をのしっかりストレッチできます。大胸筋が伸ばされると呼吸のしやすさにも繋がります。

     あと手の指先です。指は動かさないと伸びた状態で硬くなってしまうことがよくあります。指先も非常にデリケートな部分なので1本ずつ丁寧に曲げ伸ばししてあげてください。それに加えて足の裏でご説明したのと同様に指を1本ずつ縦に動かしてあげてください。この動きは自分ではやることができない動きですし、指の血流が良くなって指先の動かしやすさにもつながっていきます。是非指を曲げるだけではなくて、縦の動き、指1本ずつを分 解するようなイメージでやってみてください。

     あとよくALS患者さんのリハビリをやっているとき「呼吸に合わせてどんな動きをしたらいいですか?」とご質問をいただきます。リハビリの様子を見ていると深呼吸を促すようにするときに、グーっと押している姿をご覧になることがあると思います。 これは少し胸郭を押すことによって息を吐きやすくする、さらには息を吸いやすくすることを目的としており、深呼吸をしやすくするお手伝いをしています。ただ肋骨はそれほど頑丈なものではないのでやみくもに押すことはお薦めできません。では何をするのか?呼吸の動きに合わせて手を添えてあげてください。呼吸に合わせて、深呼吸を促すと不思議なことに手を離した時にスッと息は吸えるようになります。手を置くだけで呼吸は楽になります。

     また咳払いをする時、我々の身体はグッと腹筋に力が入って、咳払いをより強くするようなはたらきがあります。でもAL患者 さんの場合は腹筋背筋に力が入らないため咳払いが弱くなってしまい、痰が出しにくくなります。「せーの」(ゴホンっ)「せーの」(ゴホンっ)と咳払いに合わせて手を当ててるだけで咳払い強くなり、痰の出しやすさに繋がります。

     どうしても身体を動かそうとする時に、痛い顔をされた時、急な動きがみられた時はどうしても「ハッ」と心配になってしまうと思います。ただその心配をしながら身体を動かしている姿からその不安は患者さんに全てに伝わってしまいます。でも皆さんの日々の関わり、そして触れ合い、それは本当に大事なものです。皆さんがやっていることは間違いない!自信を持ってください。普段やっていることをほんの少し身体の動かし方、もしくは身体 の使い方を変えることで立派なリハビリに変わってきます。少しずつのコツを確認しながら関わっていただくことが皆さまのより良い療養に繋がればと考えています。
    ありがとうございました。

    ※このレクチャータイムの内容は、YouTube「日本 ALS 協会茨 城県支部」のチャンネルにて、動画配信をしていますので、ぜひご参考にしてみてください。

    「日本 ALS 協会茨城県支部」チャンネルの URL と QR コードです。

    https://www.youtube.com/@als8333

     皆さん、こんにちは。
     理学療法士をしております下村と申します。

     今日のテーマは「みんなができるリハビリ技術 身近な関わりからできること」とさせていただきました。普段普段みなさんもいろいろな形で患者さんに関わってくださっていると思います。

     患者さんの体を動かしている際に、急に身体が動いてしまったり、痛そうな顔を非常に心配になりませんか?その不安を少しでも解消するためにはちょっとしたコツがいろいろとあるんじゃないかなと思い、それをみなさんと共有できればと考えています。

     だんだん動けなくなって、皆さんが心配になることといえば、やはり筋力が落ちてくる、身体が硬くなってくる、自分で動けないことによって床ずれなどが生じてしまう、等ではないでしょうか。こういうことが生じてくると皆さんを含め周りの方々の介護負担が増えてきてしまいます。それを防ぐためには何が必要なのか?結局のところ身体をよく動かすことが重要になってきます。その身体を動かすときのポイントについてお話をさせていただきます。

     まず最初に足首の動き。足首を動かさなくなると、足先の冷たさを感じる方は多いですし、座っている姿勢、もしくは立ったときの姿勢のとりにくさに繋がります。そんな時にどのように動かすのか見てみましょう。足首を動かさなくなると、つま先が下に向いた形で硬くなってくるのは皆さんもよくご存知だと思います。ALS患者さんの場合、この足首をぐっと動かすとガクガク動いてしまうことがよくあります。「あっ、これは大変だ」と心配になるかもしれませんが、しっかり足裏全体を押さえて伸ばしてあげることが大切です。ガクガクは心配ありません。

     また、普段はあまり意識をしない部分ですが、足の裏は非常に血流を保つ意味では重要な部位です。よくマッサージをやってあげるのも1つですが、ぜひやっていただきたいのが足の指を縦方向に1本ずつほぐすように動かしてください。普段の動きにはない横の動きは非常に気持ちいい動きです。ぜひ足首を反ったりする動きの他に、足の裏から指を1本ずつ掴んでいただいて縦に動かす動きもやってみてください。

     もう1つ身体が硬くなってきて、介護負担の増加を招きやすい部位として股関節・肩関節が挙げられます。いずれも元々は大きな動き持っている関節なので、動きが制限されてくるとどんどん介護がしにくくなってしまいます。まず、股関節はとにかく大きく回してあげてください。その際足首と同様にガクガクと動いてしまうかもしれませんが、こちら大丈夫です。ゆっくり動かすことによって脚が開かなくなってくることによって、おむつの交換等の介助の負担が増えるのを予防できるのです。

     そして肩関節ですが、こちらは痛みを生じやすいデリケートな関節でもあります。そのため動かし方にコツが必要なのです。まず動かすときは前も横も90度まで動かしてみて、痛みの出現、動きの範囲を確認することが重要です。もちろんそれ以上の動き が保たれるのが望ましいですが、まずは90度を保てるように動かしましょう。

     もう1つ大事になってくるのは、肩を回す動きです。洋服を着る際には必ず肩を回す動きを伴います。反対の手で肩を包み込んで動かすことによって肩関節に余計な動きが生じることなく動かせるので、痛みは生じにくくなりますし、動かしている側の不安も少なくなると思います。そしてゆっくり回してください。反対側の手で肩を包み込んであげる、これが大きなポイントになります。そして肩まわりを動かしていただくときにやっていただきたいのが、肩甲骨を大きく動かしてあげてください。手を背中側に入れて指先を肩甲骨の内側に引っ掛けて、グーっと上に引き上げて大きく回すように動かしてあげると、非常にこれは気持ちいいはずです。

     この動きは側臥位で行うとより効果的に動かすことができます。人工呼吸器を装着している患者さんを側臥位にすることは非常に大変だと思いますが、横向きは患者さんにとって大事なひと時になるのは間違いないと思います。

     あと、ぜひ横向きになった時には背中にパタパタと空気を入れてあげてください。「え、なんで?」お思いになるかもしれませんが、我々は普段何気なく、寝返りとか をやって背中の部分に 空気が入るような動きを無意識的にやっています。

     でも自分で動けない方は背中に空気が通る瞬間がほとんどない のが実情です。そうなると特に夏場だとそこに汗疹ができたり、汗が溜まってしまったりしてしまいます。横向きになった時が1番背中が開放される時なのです。是非こちらもお試しください。

     もう1つ側臥位で行えるストレッチとしてゆっくり身体をねじっています。呼吸器がついていると引っ張られそうで心配かもしれませんが、回路に注意しながらゆっくりとやっていただくと胸の方がしっかり伸びてくるのを感じることができます。普段は縮こまってしまっている大胸筋と呼ばれる部分をのしっかりストレッチできます。大胸筋が伸ばされると呼吸のしやすさにも繋がります。

     あと手の指先です。指は動かさないと伸びた状態で硬くなってしまうことがよくあります。指先も非常にデリケートな部分なの で1本ずつ丁寧に曲げ伸ばししてあげてください。それに加えて 足の裏でご説明したのと同様に指を1本ずつ縦に動かしてあげてください。 この動きは自分ではやることができない動きですし、 指の血流が良くなって指先の動かしやすさにもつながっていきま す。是非指を曲げるだけではなくて、縦の動き、指 1 本ずつを分 解するようなイメージでやってみてください。

     あとよくALS患者さんのリハビリをやっているとき「呼吸に 合わせてどんな動きをしたらいいですか?」とご質問をいただき ます。リハビリの様子を見ていると深呼吸を促すようにするときに、グーっと押している姿をご覧になることがあると思います。 これは少し胸郭を押すことによって息を吐きやすくする、さらに は息を吸いやすくすることを目的としており、深呼吸をしやすく するお手伝いをしています。ただ肋骨はそれほど頑丈なものではないのでやみくもに押すことはお薦めできません。では何をするのか?呼吸の動きに合わせて手を添えてあげてください。呼吸に 合わせて、深呼吸を促すと不思議なことに手を離した時にスッと息は吸えるようになります。手を置くだけで呼吸は楽になります。

     また咳払いをする時、我々の身体はグッと腹筋に力が入って、咳払いをより強くするようなはたらきがあります。でもAL患者 さんの場合は腹筋背筋に力が入らないため咳払いが弱くなってしまい、痰が出しにくくなります。「せーの」(ゴホンっ)「せーの」(ゴホンっ)と咳払いに合わせて手を当ててるだけで咳払い強くなり、痰の出しやすさに繋がります。

     どうしても身体を動かそうとする時に、痛い顔をされた時、急な動きがみられた時はどうしても「ハッ」と心配になってしまうと思います。ただその心配をしながら身体を動かしている姿からその不安は患者さんに全てに伝わってしまいます。でも皆さんの日々の関わり、そして触れ合い、それは本当に大事なものです。皆さんがやっていることは間違いない!自信を持ってください。普段やっていることをほんの少し身体の動かし方、もしくは身体 の使い方を変えることで立派なリハビリに変わってきます。少しずつのコツを確認しながら関わっていただくことが皆さまのより良い療養に繋がればと考えています。
    ありがとうございました。

    ※このレクチャータイムの内容は、YouTube「日本 ALS 協会茨 城県支部」のチャンネルにて、動画配信をしていますので、ぜひ ご参考にしてみてください。

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    https://www.youtube.com/@als8333

      
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